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想いは [アンティーク]

「重い」では決してないと思います

ヴィクトリア朝中期(1866年)の勿忘草のリング

勿忘草の裏にはかつて遺髪がセットされていました

_IGP9916

遺髪は隠すものでは決してなく、

硝子でカバーをかけて外側から見えるようになっていました

怖いとか、遺髪があるなんて何だか嫌とおっしゃる方もおられることでしょう

実際ブローチやペンダントなど裏ではなく表から見えていてでそれを外してしまうと、

作品として成り立たなくなってしまうものは別として、

表からは見えないリングのロケットにセットされた髪は外されていることが多いです

もちろん全てがではなく、そのまま残されている作品もちゃんとあります

髪の毛を使った作品はシンプルに丸めてセットしたものだけでなく、

ロケットの全面にまるで織物のように緻密に編み込まれたもの

鎖状に編み込んでブレスレットやネックレスにしたもの(直接肌に触れることができます)

細かく刻んだ髪を象牙などに張り付けて絵画のように描いたものなどがありました

(よく見なければ髪だと気付かない作品もあります)

高度な技量をもった職人がジュエリーとして制作するばかりではなく、

髪を使っての工芸は上流階級から庶民にいたるまで、

女性のたしなみとして習得され広く作られていたのです

髪そのものを紐に見たてて作るのは組紐の原理

このピアスもひとつの例です(画像は商業利用以外フリーのものから)

Hair Jewelry.jpg

英語ではBrading Table

糸車は使いませんがかたちもほぼ同じです



亡くなった後も朽ちることなく残り続ける髪の毛は永遠や神秘性の象徴であり、

今はなき愛する人をしのび、絆を確かめることのできる証として大切にされてきました

だからどうか・・・

現代にまで残り続けてくれた作品は髪を外さずそのままの姿で大切にしてしてあげてください

アンティークは持っていた人の念がどうのと考える人もいるかと思います

でも忘れじの人を想う心に悪いものなどあるでしょうか?

良くない念のあるものだとしたら、

時を超えて21世紀にまで残り続けることなどありません

愛され続けてきたからこそこの世界で今なお美しく輝き続けてくれるのです

アンティークのようにいつまでも愛され、忘れられることなど決してないあなたへ

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