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変わるけれど変わらぬもの [アンティーク]

たとえばお花を硝子に閉じ込めてみましょう

どんなに綺麗な押し花も、時が経てばやがて色あせてしまうもの

でもモルフォ蝶の青は違います

色素に依ることなき色

_RIM2686

モルフォ蝶と勿忘草のブローチにも書きましたが

入射した光は翅の表面にある鱗粉(動物で言う鱗)の、

格子状の構造により干渉を受け、青い光のみを反射するために青く輝いているのです

_IGP5730

永遠に色褪せることのないという意味では変わらぬ色

でも面白いことに向きや見る角度によって色の出方光り方が違ってくるので、

常に変わりゆく色でもあるのです

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「色」を引き立たせるシンプルなデザイン

スクエアな中に丸みを持たせ文字通り「角の取れた」やわらかな印象を与えてくれます

手と一緒に馴染んでくれる指がかりのよい銀のリングサイズは11号です

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昆虫を使った装飾品の歴史は非常に古くはるか古代にまで遡り、

博物学が盛んで自然への憧れの強かった(自然主義)ヴィクトリア朝のイギリスにおいては、

玉虫など色の綺麗な昆虫の標本をそのまままるごと使ったジュエリーまでありました

標本の形に合わせてフレームを組んだりマウントしたりするもので僕も見たことがありますが、

気色の悪さなどは不思議と感じることはありませんでした

_RIM2687

古い歴史を持ちながらもろい素材でもあるため、

21世紀の現代において比較的手に入れやすいのは

1920~30年代に非常に人気のあったモルフォ蝶の翅を硝子で閉じ込めた銀のジュエリーです

(防水ではありませんので水濡れには御注意ください)

_IGP5734

アメリカやフランスでも作られましたが1924年の大英帝国展覧会に出品された作品がきっかけとなり、

特にイギリス国内で人気が高く現代に残る作品もほとんど英国のものです

_RIM2694

シンプルに翅をセットしたものだけでなく硝子の裏に絵を描き、翅を背景にして絵を重ねたり、

翅の模様を絵の一部として図柄に活かしたものまであります

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中南米の密林を分け入りモルフォ蝶を捕まえるのですがそれだけではコストがかかり過ぎるので、

英国内の温室で養殖もされていました

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都会暮らしではモルフォ蝶のような綺麗な青い蝶を見ることはまずできません

アマゾンの密林に行けば出会えるかもしれませんが行くだけでも大変ですし

行ったとしても必ず見ることができるとは限りません

_RIM2689

でもモルフォ蝶の翅の指輪ならいつでも、どこでも、

この世に同じものがひとつとしてない自然由来の綺麗な青とともにあることができるのです

_IGP5732

その青は見かたによって常に変わるもの

変われども、色、褪せることなく変わらぬもの

変化と不変を同時に手に入れたいあなたへ

_RIM2693

イギリス、1920年代

サイズは11号です
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