ペンタックスのコンパクトカメラ [カメラ]
このカメラ、ESPIO 120SWⅡは2003年に新品で買った。フランスへ初めての外国旅行、それも一人で行くことになり、一眼レフのLXでは盗まれるのが怖かったので、撮ったらすぐポケットに入れられる小さなカメラを買うことにした。
当時もそれなりにコンパクトデジタルカメラは出ていた。でもまだまだ値段が高かったし機能もデザインも発展中という感じがしてどこか野暮ったく、とても買う気にはなれなかった。それに比べてフィルムカメラはコンパクトタイプでも自動化は極限にまで発達していたからそっちの方がよほど機械として信頼することができた。
旅立つ直前の週末に買い、テスト撮影もせずほとんどぶっつけ本番で持っていったのだけど、撮っていてとてもしっくりくるカメラだった。初めて目にしたヨーロッパの街ということもあったけど、どんどんシャッターを切りたくなっていった。そして帰国してから更に驚いたのがその写りの良さ。ミノルタTC-1、コンタックスT3といった高級コンパクトはもちろん、一眼レフで撮った写真にも全く引けを取らない。本当にシャープで自分好みの良い写りをしてくれる。
デジタルカメラもコンパクトタイプは値崩れが激しい時代、中古カメラ界でもこういったコンパクトフィルムカメラは一部の高級機やレア機以外は商品にならず二束三文以下の本当にひどい扱いを受けている。でもこのESPIOのように実はすごい写りのするカメラだってある。こうしたカメラは100年たってもアンティークにはならないけれど、自分にとってはLXやミノルタAUTOCORD同様とても大切なカメラの一つなのでこれからも使っていこうと思う。
自分にとって大切なものであるということ、それが一番大事。たとえ多くの人には価値の無いものであっても。