宇宙葬 [monologue]
いつか僕の生命が燃え尽きて、灰になってしまう時が来たら、墓なんかいらないから遺灰はカプセルに入れてロケットで宇宙まで運んでほしい。そう、いわゆる宇宙葬を願っていた。でもてっきり地球の引力圏から脱出して永遠に宇宙を旅することができるのだと思っていたら実はそうじゃないんだね。灰を入れたカプセルは宇宙には飛び出すけれど、地球の周回軌道を廻ってそしていつかは引力に引っ張られて地球へ落下。文字通り燃え尽きて跡かたもなくなる。しかも地球の周回軌道上には宇宙ゴミが溢れている。ゴミと一緒に地球を廻らなきゃならないのは何ともいえず残念だ。星の海の中をいつまでもいつまでも旅していたい。それができないなら宇宙葬には意味が無いと思う。