ザ・ビッグイシュー(日本版) [monologue]
“大問題”という名のこの雑誌は店頭では売られていません
ホームレスの人が路上や地下街で販売している姿を見たことがある方も多いと思います
一部300円で内160円がホームレスの人たちの収入となります
販売員として登録が認められると最初10冊を無償で提供され、
全部売り上げると3,000円の現金収入になりそれを元手に以後は有料で仕入れ販売に務めます
働く機会を提供し自力で収入を得ることによって、
ホームレス状態から脱却することを目標としています
多くの著名人が表紙&インタビューに出ていて前々から興味があったのですが、
正直近寄りがたいものもありいつも遠巻きに見ているだけでした
それでも今回買ってみようと思ったのは007シリーズの現ジェームズ・ボンド役である
ダニエル・クレイグが表紙&インタビューに出ていたからです(ヒゲは似合いませんが・・・)
思っていたよりもページは薄かったのですが他の記事も大変興味深くて考えさせられるものが多く
これなら次回もまた買ってみようと思わせてくれる誌面内容でした
販売されていたホームレスの方も全然普通に丁寧で、
ありがとうございますの一言も無かったカフェの人(8日の記事)より断然応対が良かったです
帰る家が無い、安心して眠る場所が無いことの辛さはよく分かります
もう10年位前のことですが道内のとある地方都市で暮らしていました
あるる時そこから更に田舎の街に転勤になったのですが社内規定でギリギリ通勤圏内だった為、
転居無しで毎日鈍行列車で一時間半かけて通勤していました
そんなある日終電に乗り遅れてしまいました
3月でまだ雪も残る寒い日、時間はまだ0時を少し回ったくらい
田舎町でネットカフェもありません
深夜に営業しているお店はコンビニくらいです
コンビニで立ち読みをしたりぶらぶら歩いたりして時間をつぶしていました
やがて疲れて眠くなったのですが横になる場所はもちろん雪で座る所もありません
でもずっと立ちっぱなし、歩きっぱなしでいるのは辛くて何とか一息つきたかった
やっと見つけたのが何軒かのお店が入る小さなビル
外から目につかない階段奥の通路で壁に寄りかかって眠りにつきました
でもなかなか寝付けなかった・・・とてもじゃないけど安心していられなかったから
寝込みを襲われて金品を奪われる可能性もありましたし、
とても寒くて凍死しちゃうんじゃないかという怖さがありました
ホームレスの人たちって・・・とても辛いのだろうな・・・初めて実感できた体験でした
結局その日はまともに寝ることもできず寒さに震えながら始発に乗って家路につきました
寝に帰るだけの部屋であっても帰る場所があるということがどんなにありがたいか・・・
一夜だけの経験でしたが現実のホームレスの人はきっともっと過酷なのだと思います
応援するなんておこがましいかもしれませんが、
ホームレス状態から脱却できるための手助けになるのなら
僕はこれからもこの雑誌を買っていきたいです