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15/24 [アンティーク]

銀もプラチナも純度の表記に千分率(全体に対する割合を1000分の1の倍数で表すこと)を使います

925(スターリングシルバー)なら925/1000が銀で、あとの75/1000が他の金属となります

プラチナも同様に950なら950/1000がプラチナで残りの50/1000は混ぜ合わされた他の金属です

金も千分率で表せば18金なら750、22金なら916となりますが、

一般的になじみがあるのはやはり24分率の表記です

ではなぜ24分率で表すのか?

現代においてももちろん、はるか古代の昔から金は貴重な金属、文字通りの「貴金属」です

現代では100%、100点満点と言うように最大値の基準となるのは100(分率:パーセント)ですが

%の概念が誕生するはるか以前の時代、一日が24時間であるように最大値の基準は24でした

銀ももちろん貴金属ですが酸化が避けられないこと

(金が尊ばれたのは酸化に強い=黄金の輝きを維持し続けることができる為です)

水銀と同様に他の金属と混ぜて容易に合金を作りだすことのできる金は、

金貨一つをとっても時代や地域によって純度が異なる様々なものが作られた金に比べ、

銀は1300年に始まるイギリスの刻印制度のもと925/1000が銀と認定される基準だったこと、

(より純度が高い958/1000はブリタニアと呼ばれましたが柔らか過ぎて実用には不向きでした)

プラチナは実用されたのが二十世紀間際になってからと金に比べ歴史が浅いため、

古代の名残りである24分率ではなく、

100分率より更に細かくなおかつ分かりやすい千分率で表記されているのです

そしてこの指輪は15金

イギリスだけ、しかも限られた年代(1854~1932年)にしか存在しない、

アンティークならではの歴史の貴重な生き証人です

_IGP5770

バーミンガムのアセイオフィス(貴金属検定所)で15金の検定を受け、

そのことを証明する刻印が打たれたのは1890年5月2日から7月31日の間にかけてです

通常、刻印が打たれた年は判別できても月日まではさすがに分かりません

でもいくつか例外があり、1890年もそのひとつです

イギリスでは1784年から1890年の間にかけて金、銀製品には税金がかけられており、

ホールマークにも納税済みの証明としてそれぞれの時代の国王の横顔が刻印されていました

(デューティー マーク)

アルファベットのデザイン、文字を囲む枠の形でそれぞれの年を確認するのですが、

同じ1890年を表すPの文字でも課税されていた期間の製品にはデューティーマークがあり、

廃止された年の5月から7月にかけてのものはヴィクトリア女王の横顔は刻印されていないのです

_IGP5766

7月以降1891年にかけてはアルファベットはPの次、Qになります)

この世界に生まれてからまもなく125年になるアンティークリング

次の125年へ

始まりはあなたとともに

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