SSブログ

24 [アンティーク]

純金は本当に「純金」なのでしょうか?

金以外は一切何も含まれていないのでしょうか?

答えから先に言うと例え純金であっても金以外の物質が僅かに含まれています

人間と金とのお付き合いははるか古代にまで遡りますが、

現代の技術をもってしても不純物を完全に取り除くことはできません

純金であるはずの金の延べ棒に刻まれた数字が1,000ではなく、

999.9となっているのはその為です

天然の状態(自然金)で金には通常ある程度の銀と銅が含まれていて、

その割合は重量比で銀が5~30%、銅が2%程度です

金以外のものを除去してより鮮やかな黄金の輝きを手に入れたい・・・

金の精錬はおそらくその思いから始まったことでしょう

先ず銅を取り除くことから始まり、

やがて紀元前二千年代には銅だけでなく銀も取り除くことができるようになりました

こうして人は純金を手に入れましたがジュエリーに純金を使うことはほとんどありません

それはなぜか?

やわらかすぎるためです

純金の指輪もありますがお世話になっている彫金の先生にうかがったところ、

使い続けているとやがて指の形に歪んでいくとのことでした

またやわらかいため傷がつきやすく、実用には不向きです

ジュエリーは身に着けてこそのもの

どんなに美しい輝きでも身に着けて使うことができなければ意味がないのです

合金の作りやすい金は他の金属を混ぜることで、

魅力的な色あいを出しながら硬度を高めることができます(カラーゴールド)

面白いところでは例えば金に鉄を25%の割合で混ぜると何と青の色あいがでるのですが、

混ぜ合わせる鉄の割合が低い(15%)と今度は灰色がかってしまいます

またアルミニウムを混ぜると紫色の金ができます

それもまたありで面白いとは思いますが・・・僕はやっぱりイエローゴールドが好き

十九世紀半ばのゴールドラッシュによって、

ジュエリーにたくさんの金を使うことができるようになりました

それ以前の時代、数が少なく入手困難だった金は今よりはるかに貴重だったため、

技法を駆使して少ない量の金をいかにボリュームを大きくするかに腐心していたのです

別の作品を作った際に余ったそれぞれ割合の異なる金を混ぜ合わせることもありました

測定すると18金でも15金でもない、いってみれば16.5金のような作品も時としてあるのです

ルビーとダイヤモンドのアンティークリング

イギリス(バーミンガム)、1910年

_RIM2752

ルビーの色に惹かれて手に入れましたが18金の色あいが、

ルビーに大変良くあっていてそこもまたお気に入り

色あいは“作り出す”もの

作り手のセンスが決め手です

アンティークは一点もの

カラーゴールドの色あいひとつとっても強い個性があります

マニュアル通りに作られたどれも似たりよったりなものを身に着けても個性は引き立ちません

アンティークジュエリー

あなたの個性をより美しく、より魅力的にするもの

_RIM2747

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。